住生活の領域に特化した日本最大級のソーシャルプラットフォーム「RoomClip」を運営するルームクリップ株式会社はこの度「RoomClip 住文化アーカイブ・プロジェクト」を新たに立ち上げました。
本プロジェクトは、RoomClipに蓄積された650万枚以上の住まいの実例写真とそれに紐づくデータを文化的資源として位置づけ、その学術的価値を探究するとともに、社会に広く還元することを目指す取り組みです。
RoomClipには2012年のサービス開始以来、全国の生活者から日々の住まいや暮らしに関する実例写真が投稿され続けており、現在では650万枚を超える写真データが蓄積されています。これらのデータは単なるインテリア写真ではなく、日本人の住空間に関する意識や実践の変遷を映し出す貴重な文化的資料となっています。
ルームクリップは、こうした「日常の創造性」の記録が、単なるSNSコンテンツを超えた社会的・文化的価値を持つものであり、将来的には日本の住文化研究における貴重な資料になりうると考えています。こうした認識のもと、この膨大なデータを後世に残し、その価値を高めていくための取り組みとして本プロジェクトを立ち上げました。
本プロジェクトの第一弾として、インテリアデザイン史・消費文化研究の専門家である関東学院大学の神野由紀教授と連携した共同研究を開始します。
神野教授が研究代表者を務める「日本における趣味の大衆化とインテリア実践に関する考察」は科学研究費助成事業に採択されており(研究課題番号:24K15625)、本プロジェクトはその研究とも連携して参ります。
2025年4月から7月にかけては、神野教授の研究室と連携したデータ分析を行い、研究成果の一部を学内展示にて発表する予定です。
神野由紀
関東学院大学人間共生学部 教授
専門は近現代の日本のデザイン文化史。
『趣味の誕生』勁草書房、1994年
『子どもをめぐるデザインと近代』世界思想社、2011年
『百貨店で〈趣味〉を買う』吉川弘文館、2015年
『趣味とジェンダー』(編著)、青弓社、2019年 など
機械でつくるのに相応しいデザインを模索する中で20世紀初頭に生み出されたインダストリアルデザインは、私たちの美意識を大きく変えることになりました。それから100年以上経ち人気を集めている「インダストリアルインテリア」は、初期インダストリアルデザインを古くて趣のあるデザインとして用いています。似ているようで、全く趣旨の異なる2つの時代の「インダストリアル」への眼差しを、学生と一緒に考えてみたいと思います。
RoomClipで生活者が共有してきた「日常の創造性」の記録は、単なるSNSコンテンツを超えた文化的価値を持つものだと考えています。「RoomClip 住文化アーカイブ・プロジェクト」では、これらのデータの価値をさらに高め、未来へ繋げていくことを目指します。このプロジェクトを通じて、ルームクリップは単なるサービス提供を超えた文化的・学術的貢献を果たしてまいります。
ルームクリップ株式会社 広報担当
mail:brand@roomclip.jp
お問い合わせ: https://corp.roomclip.jp/contact